住まいのこと、電気のこと、水道のこと、ご相談下さい。株式会社武生テック。

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今日は設備工事の 見積もりについて、

お話しします。

工事は、材料費と労務費、

そして経費に分かれるのは、

何となくわかりますよね。

そして、材料費は仕入れの値段で、

経費は、工事にかかる諸々の金額が

合わさったものっていうのも わかりますよね。

経費でいうと、 現場までのガソリン代、

打ち合わせの電話代、

見積もりを作ったりするための 事務所の経費

社員の社会保険料なんかも 含まれます。

それから、重機などリースした場合の リース代。

経費もあげていくと結構な金額に なることがあります。

それでも経費は、

ある程度までは 想像できると思うのです。

それでは、労務費はどうやって 決まるのか?

一日、一人あたりの労務単価が 決まっているので、

何人行けば、何日で、何時間で終わる というのがわかれば、

その時間である程度は 出てしまうのですが、

実はちゃんとした基準があります。

設備工事に限って言いますね。

設備工事って、電気とか、 水道工事のことです。

材料に歩掛かり(ぶがかり)といって、

作業にかかる時間的な数字が 決まっているのです。

たとえば、スイッチ (一つのプレートに1個のスイッチ)の

歩掛かりは、0.054 です。

? 何の数字かわかりませんよね。

これは、一人の人がスイッチをつける為の

労力を数字で表したものです。

つまり、スイッチ一つつけるのに、

0.054人分の労力がかかります、 という意味です。

なので、 スイッチを10個つける工事があると

0.054 X 10個=0.54人分の

労力という意味です。

電気工事ならば、スイッチやコンセント、

ケーブルや電線、配管類のそれぞれに、

一つ一つ細かく、歩掛かりの数字あって

それらが何種類あって、 何個あって、というのを

図面を見ながら、数えて、 足していくのです。 (細かい作業です)

簡単な例で言うと、

 

ケーブル(VVF1.6-2C)    30m

スイッチ(1P15AX3/新金プレート) 3個

コンセント(2P15AX2/新金プレート) 2個

 

という材料を使う工事があったとすると、

ケーブル  歩掛かり 0.020 X 30m = 0.6

スイッチ  歩掛かり 0.108 X 3個 = 0.324

コンセント 歩掛かり 0.054 X 2個 = 0.108

 

0.6 + 0.324 + 0.108 = 1.032  で

1.032人 分 労力が必要 となって、

 

これに、県別に決められた労務単価を 掛けて金額が決まります。

26年度の大分県、電工の労務単価は 15,600円 なので、

 

1.032人 X 15,600円 =16,099円

の労務費となります。

 

ただ、労務単価も一応公共工事を基準に 算出しますが、

人手不足になってくると、

見つけるのが難しくなり、 実際の取引上では

変動することが多いです。

そういうわけで、 図面ができたら

その図面から、

スイッチが何個、

コンセントが何個、

ケーブルは何m、 照明器具が何個と数えることになります。

そして材料の合計と、

先ほどの歩掛かりの合計に 労務単価を掛けて出した労務費と、

経費を足して 見積金額となります。

材料の数を数えたり、 ケーブルを計ったりする作業を

材料の「拾い出し作業」というのですが、

結構大変で、 大きな工事になると複数人数で

拾い出し作業をしたり (図面がA1で何枚もあるので)

時間も1週間くらいかかる ものもあります。

ただ、この見積もり作業は、

労力と時間がかかる割には、

受注できない場合は、

無駄な作業になることが多く、

必要なことなのですが、 報われないところが多いです。

金額をはじき出しても、 競合がある場合は、

受注するために 値段を下げることもあります。

業界的な慣習では、 この見積もり作業は無料ですが、

どうなのかな?と私は 個人的には思っています。

なぜなら、この見積もり作業は 電気的な知識の蓄積と

経験がないとできないことで

なおかつ、

まとまった時間がないと できないことだからです。

こういう部分はあまり知られていないので、

このブログを読んでくれている

あなたには、 知っておいていただきたいと

思って、今回は見積もりに ついて書いてみました。

こういう部分を理解していただける お客さんとおつきあいしたいと 思っています。

ちょっと長くなってしまいました。

最後まで読んで頂き ありがとうございました。