ある施設の電気設備で事故があり、復旧のための停電作業に立ち会いました。
通常弊社でもできることなのですが、今回施設のメンテナンスをしていることから、工事は別業者で、立会のみとなりました。
スタートは23時です。
どんな事故かというと、ケーブルの端子台が、何らかの原因で劣化して、熱を持ち、短絡してしまったというものです。
専門用語が多すぎて、わかりづらいですよね。
この写真は、動力盤の中でケーブルを接続しているものです。
青、白、赤の部分がケーブルの先に付いていて、ボルトで留めているのがわかりますか。
ボルトで留められるように、ケーブルの先に付いているのが、端子と呼ばれるものです。
そして、端子をボルトで固定しているのが、端子台と呼ばれるものです。
今回は、この端子台が熱を持ち、溶けて、ケーブルとケーブルが触れて、ショートしてしまったわけです。
端子台が溶けるとこんな感じです。
真ん中が溶けていますよね。この場合だと、白のケーブルが接続されているところなのですが、ボルトを取り付ける穴もなくなるぐらいの熱が発生したということですね。
こういう作業の場合、設備を止めて作業ということになるのですが、施設によっては止められない場合が多く、ほとんどの場合、夜それも深夜、あるいは明け方になります。
今回は、ケーブルもブレーカも取替になりました。
原因はいくつか考えられます。
単純に経年劣化、20年、30年と経つと、端子部分も劣化してきます。大電流が常時流れていればなおさらです。負荷が多い場合、ケーブルが細かったりするとそれだけ熱の発生の原因になります。
ほかには、締め付け不良。盤にケーブルを接続する場合は、特に気をつけるのですが、手が届きにくいところなどは、まれにこういうことがあります。今回は経年劣化が原因のようです。
今回は一般のお客様には、なじみのないものですが、こうした作業を知ってほしくて取り上げました。
電気設備は見えない部分が多く、事故後の作業もさらに人目に付かない時間帯と場所で行われています。
締めきり時間が決まっているので、プレッシャーもありますが、電気工事業者のやりがいを感じる仕事でもあります。